今年2026年は午年。そこで今回はウマにちなんで、リッラベッケンでも取り扱っているスウェーデンの伝統工芸品「ダーラヘスト」をご紹介します。
ダーラヘストとは、スウェーデン中部スヴェアランドのダーラナ地方の馬という意味。実に400年以上も伝わる伝統工芸品で、“幸せを呼ぶ馬”と呼ばれることも。ダーラナ地方が発祥とされダーラナホースと紹介されることもありますが、今ではスウェーデンを代表する工芸品となっています。

ダーラヘストはスウェーデンの長い冬の夜に、森の中の小屋で火をたくそばで作られていたそうです。一本のナイフがあれば作ることができる、自分の子どもたちのためのおもちゃが始まりとも言われています。その後地域産業として発達していきますが、現在でもひとつひとつ丁寧に手彫り・絵付けされています。長い歴史を持つ工芸品、今ではどこの家でも目にすることができ、流行に左右されず長年愛されてきたシンボル的な存在となっています。スウェーデンでは幸運の証や親愛の気持ち、友情を深めるためとして、購入したり贈り合われてきました。

ダーラヘストというと赤いイメージを持たれる方もいるかと思います。私が初めて買ったのも赤い絵付けがされたものでした。手のひらサイズの写真のものは数代目。バッグの内袋に入れたまま持ち歩いているので、だいぶ使用感が出てしまいました。またキーホルダーに加工したものもあります。


トップイメージのグリーンのダーラヘストは、あるインテリアショップがオリジナルの柄を作るためにボブファウンデーションとしてデザイン依頼を受けたものを、スウェーデンのダーラヘスト工房の職人さんに絵付けしてもらったのもです。ホワイトのボディにレッド柄のバリエーションも作りました。

ダーラヘストを代表するように、スウェーデン人の多くは森や木、自然と密接に文化を育んできました。以前ストックホルムを訪問した際に、そのことを身近に感じる出来事がありました。それは、ボブファウンデーションとしてストックホルムで展覧会を開催した時でした。檜で作った送電線の鉄塔を模したオブジェを発表しました。東京とストックホルムの友好をアナログな送電線に喩え、糸電話をインスタレーションし来場者に体験してもらいました。そのうちにお客さんに、檜のオブジェを買いたいと言われびっくりして急遽値段をつけたの覚えています。その中のお客さんの1人に大変嬉しい褒め言葉をいただきました。「私たちにとって木はただの”モノ”ではなく、とても身近で大切な生活の一部なのです。たくさんの木の商品を見てきたけど、これはとても新鮮で美しいからぜひ家に飾りたい。」本当に嬉しかったです。と同時に、私たち日本にも古くから伝わる木の文化があり、何にか通ずるものを感じました。人と自然、自然と人。お互いの関係性について、当たり前のことのようですが、遠く離れた国でまた改めて実感したのを思い出します。オブジェにはもちろん糸電話もつけてお持ち帰りいただきました。
最後に、当店でダーラヘストを取り扱う時に少し大きめのサイズをお店用に仕入れました。そしてボディにLilla Bäckenとスウェーデン語で描いてもらいました。描いてもらったのは、東京をベースにサインペインターLetter Boyとして活動をしている友人でもあるピーターです。実は、何を隠そうピーターはスウェーデン人。そしてリッラベッケンを命名する際、英語とスウェーデン語いずれかで考えていたアイデアを彼に翻訳してもらい、その発音の響きやリズムの良さが気に入ってスウェーデン語にした経緯がありました。

当店で扱っているダーラヘストは無垢、ホワイト、グレーですが、まだまだたくさんの色、柄、サイズのものがあります。幸せを呼ぶ馬。今後また仕入れるのに、どれにしようか今から楽しみです。
